脱スマホ/ゲーム依存|子供とデジタル機器をどう向き合わせるべきか

生まれながらにしてテクノロジーに囲まれている子供は、自然とデジタルに触れて興味を持つようになっています。本記事では、親として子供のデジタル/スクリーンメディアにどう向き合わせるのが良いのか参考情報を紹介します。

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今の子供はデジタルネイティブ・Z世代と呼ばれる

デジタルネイティブとは、インターネットなどのIT技術、PC、スマートフォンなどのIT製品に囲まれた環境で育った人々のことを指します。その中でも、1980年代~1995年頃に生まれた2000年代に成人・社会人となる世代を「ミレニアム世代・Y世代」と呼び、1995年以降に生まれた現在の若年層をZ世代と呼びます。

デジタルネイティブ

小学生は自由時間の約70%でインターネットを使用

内閣府が実施している「青少年インターネット利用環境実態調査」によれば、2018年度時点で小学生は1日118分インターネットを使用していると公表しています。小学生が学校・宿題・習い事・食事などを差し引いて自由に使える時間は約150分程度あるため、自由に使える時間の約70%をインターネットを使って過ごしている(使用用途はゲーム・動画視聴)ことになります。

テレビを見すぎることによる悪影響

テレビを見すぎる(スクリーンタイムが長い)ことによる悪影響として挙げられるのは、注意力散漫、肥満、睡眠障害、言語能力の遅れなどです。

肥満は、テレビを見すぎることで体を動かす機会が減ること、テレビを見ながらの間食が多くなることが理由です。言語能力の遅れは、家族でテレビを見ていると会話がなくなり(途切れてしまい)、言語能力発達の機会を失うためです。テレビに限れば、テレビがついているだけで親が子供に発する言葉の数は90%減少とするとされています。

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スマートフォンを使いすぎることによる悪影響

近年の調査や研究で子供、特に若年成人(19〜24歳)と幼児・未就学児(3〜6歳)がスマートフォン中毒になりやすいと明らかになっています。スマートフォン中毒の傾向、不健全な傾向が出ている子供の特徴が次の通りです。

1. 画面を消されると癇癪を起こす
2. 嘘をついてもっと触ろうとする
3. デジタル機器で遊ぶ以外のアクティビティへの関心が薄い
4. 本を読む際にじっとしていることができない
5. 就寝時間にぐずる

また、幼児がスマートフォンなどの画面を長時間見続けると、近視になったり立体視が弱くなったりする場合もあります。0~6歳頃までは目の機能が育つ大切な時期なため、デジタル機器を長時間使用することは問題があります。

業界全体でスクリーン漬けを問題視し始めている

スマートフォンアプリの1日の利用時間を制限する機能として、Appleが「スクリーンタイム」を、Googleが「デジタルウェルビーイング」をリリースしており、IT業界全体でもスクリーンに長時間どっぷり漬かるのはやめようという動きが出てきています。
また、IT業界を牽引してきた起業家たちは、子供のデジタル使用について厳しく制限することを求めており、具体的には次のようにしていました。

スティーブ・ジョブズ氏(Apple社の共同創業者)
自分の子供たちのテクノロジー使用時間を制限していた。

ビル・ゲイツ氏(Microsoft社の共同創業者)
子供が14歳になるまで携帯電話を持つことを許さず、夕食時には取り上げていた。また、テレビやデジタル機器などを見る時間も制限していた。

デジタルネイティブ

子供のデジタル使用とどう向き合うのが良いか

子供とデジタル機器(スマートフォン・テレビ等)との距離感をどのように保っていくことが良いでしょうか。家庭での向き合い方を考えるための具体的なヒントを紹介します。

低年齢期(6歳頃まで)は親が子供と一緒に楽しむ

必ずしもデジタル機器の使用が悪影響だけ、ということはありません。イギリスのオックスフォードインターネットインスティチュートとカーディフ大学2〜5歳までの子供を持つ2万人のの親を対象に行った共同調査によれば、使用時間以上に「使用する状況」や「デジタルな世界を子供と一緒に探索しようとする親の姿勢」の方が重要だと結論付けています。

子供が1人でデジタル機器を使用することをなるべく避けて、アプリでもテレビを含む動画でも、親がその内容について声に出して復唱したり、話し合う習慣をつくると、子供の共感力や自信、相手の気持ちを読み取る力を高める効果があるといいます。

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年齢に応じて使用時間を制限するルールをつくる

世界保健機関(WHO)は、2019年4月にスクリーンタイムについて、0~1歳児には推奨しないこと、2~4歳は1時間以内にとどめ、その時間は短いほど良いことをガイドラインで提示しました。これらを参考に使用時間のルールを年齢に応じてつくるとよいでしょう。

デジタル機器の使用は禁止!とまでしてしまうのではなく、自由に使える時間と使えない時間のメリハリをつくることを意識してあげてみてください。

デジタル機器への関心を学びに変える

デジタル機器の使用制限といっても、オンライン学習サービスなども発達してきており、学習においてデジタル機器を使用しないということはなく、今後ますます利用されるようになります。デジタル機器の使用でも、YouTubeを見たりゲームをするだけの「消費」と、勉強をしたりゲームやイラストを創作する「創造」の2つの使い方があると捉えておくことは大切です。

デジタル機器の使用について、「消費」ではなく「創造」をする時間を中心とさせるというアプローチも大切です。動画を見るのではなく、自分でカメラで撮影して動画をつくる、ゲームをするのではなくゲームをつくる、という使い方は学びであり制限する必要は少ないからです。

デジタルネイティブ

定期的にデジタルデトックスを行う

子供とデジタル機器をどう向き合わせるか、という話の前に親自身もデジタル使用(スクリーン漬け)を定期的に見直さなければ説得力がないかもしれません。スマートフォンを1日に150回(6分30秒ごとに)チェックし、毎日2,617回デバイスをタップし、スワイプしてクリックしているという2016年の調査もあります。

デジタルデトックスとは一定期間、デジタル機器と距離を置くことでストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや、自然とのつながりにフォーカスすることです。デジタルデトックスを行うことで、研究で次のような効果があると証明されています。

1. 気持ちがスッキリする(幸せな気持ちになれる)
2. 目の疲れ・脳の疲れが取れる
3. 睡眠の質が良くなる
3. ストレスが軽減される
4. 想像力(創造力)が高まる

定期的に家族でデジタル機器の電源を切って、1泊2日のデジタルデトックスキャンプを楽しむ、自然の中でリラックスして家族で話をする、というのは親にとっても良いでしょう。

脱スマホ/ゲーム依存に関するおすすめ書籍

メアリー・エイケン「サイバー・エフェクト 子どもがネットに壊される ― いまの科学が証明した子育てへの影響の真実」ダイヤモンド社
島袋コウ「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」旬報社